2006年珍道中日記8

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<14:55 レーワルデン到着>
白く可愛い駅♪
主人が作ってくれた乗り換えの路全図と違い、乗り換えることなく到着。どうゆうこっちゃ?でも、自分で経路を考えなかったのだから文句は言えない。文句を言ったらばちがあたる。
途中に路線図には無い駅がいくつもあり、他方面に走っているのか?!と、心配で毎回駅名をチェックし、焦りながらのトレイン旅行だった。駅名をチェックするには前にも書いたが駅の中央に1つしか看板がないので瞬時に駅名を読まなければならない。そこで上5桁を私が読み、下5桁を妹が読み+=???という調子だった。情けなや。
駅に降りるとやはり臭っ!どこに行っても臭っ!チーズの国=牛フンの国だ!!

ホテル「オラニエ」は、今度は本当に駅前だった。旅行会社の旅程書に対してアムステルダムのホテルで不審感をもってしまっていたので「本当?」という思いが常について回った。
街は水路に囲まれ、こじんまりときれいに区画整理されていて、おとぎの国の様だ。移民も居ない独自の文化と言語を持ったフリース族の街で、英語はホテル以外ではほとんど通じず英語の併記も無い。若い人は片言英語で答えてくれるが年配者はドイツ語に近いようななまりがある。アムステルダムのオランダ語は英語と区別がつかないくらい滑らかなものだったので、だいぶ違う。

ホテルのフロントのお姉さんはとても美人でホビットの私たちにも優しい。昨日のホテルのフロントとは違って良かった。部屋も昨日より広く、アメニティーも揃っているけど、窓の外はまたしても壁!旅行代理店!!頼むよ~!
格安旅行なのだから仕方が無いのかもしれないな。この後のホテルもずっと窓の外は壁なのだろうか?!

<15:50 街へ繰り出す>
朝から動き回って疲れていたが、妙なハイテンションだった。
雨が降ってきたが街を早く知りたかったので、街へ繰り出すことにした。が、「行くよ!」といつも部屋のドアの前で腕組みをする私。双子だが姉妹として育ってきた環境から性格が違う二人である。
明日からヒンデローペンに通うので、今日は街の名所であるフリースミュージアムを押さえておこうと地図を片手に歩き始めた。歩き始めると益々この街の可愛さを実感する。アムステルダムとは大違いだ。アムスにはそれなりの古い良さはあったけどきれいな街ではなく、移民の多さで緊張した。この街には穏やかで品の良い(育ちの良い感じ)人々が行きかう。
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2006年珍道中日記7

<アムステルダム駅>
レーワルデン行きの8b番ホームに上がるエレベーター(この国ではリフトと呼ぶ)を目指してトランク引いてチビが二人でスタコラ。ところがエレベーターが無い!オランダの駅の階段は日本の2倍の長さがある。とてもじゃないが海外旅行用の身体より大きなトランクを持っては登れない。
おじさんに聞いたら向こう側の8a番ホームのエレベーターから登れと言う。「何でaなの?!ホームが違ったらだめじゃん!」と私は叫んだ。でもおじさんの大丈夫だと言う言葉を信じてエレベーターに乗ってホームに上がったらなんと!ホームの長さの半分が8a番ホーム、半分が8b番ホームだ・・。だから同じ8番だったのだ。階段も長けりゃ、ホームも長い。1本のホームの真ん中を境に前後で分けて違う電車が使っていた。日本ではあり得ないことである。この国の賢い合理主義を垣間見た。半分づつ使えばホームの本数は少なくて済む。ホームの真ん中から互いに逆方向に電車が走り出す光景は、摩訶不思議であった。

12:36発 レーワルデン行きの電車にぶじ乗車。また電車のステップが高かったが私のトランクは後ろにいた乗客のお兄さんがあげてくれた。ラッキー。
しかし、車内の通路が狭く、トランクを持っての移動は大変だ。椅子の背中合わせの隙間に皆はトランクを入れているけど私のはあと10センチ細くないと入らない。ユーロトレイルの旅はあと10センチ細いトランクなら快適なはずだ。こんなデカイのだとアホじゃないの?と好奇の視線を浴びる。
しかし私は人の眼は気にしないタイプ。でも、私のトランクより更に大きいトランクの妹は、晴れた日に溶けていく雪だるまの様だった。 教訓その2 トレイン旅行には小ぶりのトランクで行こう

人間ウォッチング
トレインの中は2等席に乗ったので生活感がプンプン♪パンにチーズを挟んだだけのサンドイッチを食べてる人。リンゴをかじっている人。直径10センチの巨大クッキーを隙間なくびっしりと12~3枚並べて入れた赤い大きなタッパーを抱えて一心不乱に食べている22~3歳の男の子。皆何か食べている。そうか、電車の中はランチタイムの場所なのだ。私たちとはす向かいに座ったそのクッキー青年は食べ続ける。ひたすら食べ続ける。キムタクのような端正な顔でひたすら大きなクッキーをノンストップで食べる様は違和感があって、妹と二人笑いをこらえるのが大変だった。そして、彼は遂に完食した。そのあと空になった赤いタッパーを見つめ深く大きなため息を一つつき放心の表情で蓋を閉めた。私たちは思わず顔を見合わせ、笑うな~!とテレパシーを送った。(双子はテレパシーが通じる)
こんなに甘ったるいクッキーがランチだなんて!!皆のランチは質素で、一重一菜どころか、一菜だけだ。パンにハムを挟んでいる人はいないし、バターも塗っていない。レタスなんてそんなシャレた物は勿論入っていない。パンにチーズだけだ。この国の弁当は料理ではない。でも皆体がデカイ。無駄にデカイ。こんな食べ物でどうして大きくなれるのだろうか?
そして、車内のランチの光景に何か違和感があることに気がついた。何かが日本と違う。それは誰も飲み物を飲んでいないからだった。パサパサしたパンやクッキーを食べているのに、一度も飲まない。彼らは唾液が多い動物なのか?動物というのは失礼な言い方だが、牛のような感じがしたのである。オランダのランチは日本人にはとても飲み物なしでは食べられないしろものだった。
車中、駅で電車に乗るまでの右往左往で疲れた身体を人間ウォッチングで休めた。

2006年珍道中日記6

戻る道の途中、チーズ屋さんを見つけた。オランダの情緒たっぷりでなんだか嬉しくて覗いた。ベビーカートを押してきたママが山羊のチーズが美味しいわよ♪と声をかけてくれたので試食したら、パサパサしたロウソクのような食感でマトンのような癖のある味だった。半生タイプのチーズを試食したらおいしかったので息子に大きな1キロの塊を買った。安くはない。初めてカードが使えた。
どこでもカードが使えるとガイドブックには書いてあったが、またしてもガイドブックの信憑性は下降線をたどる・・。この時、何も考えずにチーズを買った事がすぐに大失敗だったことを思い知るのであった。
重たいチーズを10日間ずっと持って歩くはめになったからだ。教訓その1、重たいものは最後に買え!後先考えずに買い物をした自分の浅はかさを呪ったのだった。

チーズ屋のとなりにフードショップ(日本でいうところのスーパーマーケット)を発見!地元の人々が沢山いて、生活の場にやっと足を踏み入れることができた。
今回の旅は観光ではなく、オランダの生活に触れたい!という想いが強かったのでこの光景にはワクワクした。観光客相手の店とは違ってやはり安い。リンゴを2つと水とコーラを買った。半額ぐらいで買い物ができて得をした気分になり、上機嫌な私は店を出ながらスキップしそうだった。
さて、ヒンデローペンにアクセスするための拠点に決めた可愛い街<レーワルデン>へ移動する時間になった。
ホテルをチェックアウトし、アムステルダムの駅前でポストカードを投函。日本の生徒さんの元へオランダの香り届け!とポストに二礼二拍手した。??賽銭箱じゃないっつーの!なんでオランダに来てまで二礼二拍手したんだろう?!私は日本人だったのだと愕然とした瞬間だった。なぜ愕然とするのか?!自分は西洋人のつもりだったのか?
答えの出ないまま電車の時刻が迫り、うやむやの気分のまま歩く。旅は知らない自分に出会うのかもしれない。
駅の構内に入る直前に振り返り、アムステルダムの街に「またね!」と後ろ髪を引かれながら挨拶した。

2006年珍道中日記5


3月24日(二日目)アムステルダムからレーワルデンへ
 起床、AM7:00今朝も良い天気♪ フロントのカウンターが高くて、昨日はチェックインのサインをするとき紙面が見えなくて、勘で書いた・・・苦笑。私達はこの国の人たちがガリバーに見える。あちらからは、きっとホビットだろう。
ホテルの洗面台が高いっ!大柄の国だから全てが高い!トイレは足が宙ぶらりん、洗面台は届かない!どうやって洗うのぉ~?妹と爆笑した。
だって、洗面台の中が見えないのだ。万歳をしたまま顔を洗うのだ。水は引力で身体を這うことになる。これからの旅、毎朝バスタブで顔を洗わなければならないのだろうか・・・。子供はどうしているんだろう?

<9:00 雲ってきた。>
ホテルのブッフェで朝食を取り、12:00のチェックアウトまで街並みの写真を出来るだけ沢山撮る事にした。午後には次の宿泊地であるレーワルデンに移動するためアムステルダムとはあと数時間でさよならしなければならない。
妹よ!優雅な朝食を気取っている場合ではない!さあ、急がなければ!                       
<ポストはどこ?> 
写真を撮りながら、昨晩ポストカードを買った店にスタンプを買いに行った。 ★★★三ツ星ホテルなのに、フロントでポストカードを出してほしいと言ったら断られた。なんちゅうホテルだ?!ガイドブックではどのホテルでもフロントで出せると書いてある。ガイドブックには嘘っぱちが多い事が判明したのであった。これからも、その数は増えていくのである。だが今回の件は、泊まったホテルの三ツ星が嘘だったのかも知れないが。さて、次はポストだ。 タバコショップのおじさんに尋ねたが、英語がまったく通じない。「ポスト!ポスト!」と私が叫んだらこの先を指さした。しばらく歩いたけど見つからない。そろそろ戻らないと間に合わないので断念した。アムスは殆ど英語が通じると言ったのは誰よ~!セントラル駅前にあるらしいポストに投函するから、もういいもん!ところで、スタンプはいくら貼ったらいいの??あてにしたくないガイドブックを開いて調べるのであった。とほほ。

2006年珍道中日記4

アムステルダム駅前からタクシーに乗るように言われていた私達は、タクシー乗り場を探し、重い荷物をガラガラと押して進む。ガラガラというは、路面が悪いからなのだ。石畳のなごりか?道路はかなりガタガタ。その隙間に妹のトランク                          の小さなキャスターがはまり、思うようにすすまない。一歩進んで、またはまり・・・。でも、駅前に憧れの家並みが広がり、古き良き時代の建築物は中世のたたずまいで私達を出迎えてくれたので、ホームの糞の臭いの事は、もうこの時には嬉しさで打ち消され、ハートマークが私達の目の中に浮かんでいた。
やっとの事でタクシー乗り場までたどり着いたのに、タクシーには乗せてもらえなかった。
ホテルはすぐそこだったからだ。歩いて2~3分らしい。
あれが「ベルビューホテ~~ル!すぐそこ~~」と南米系の運転手が陽気に指差してくれたので、そっちの方向に行けばすぐに解ると思って行ってみたけど、どれもこれも同じ形の建物で特徴が無いから、少し迷ってしまった。ご覧の様に、建物の正面に行かなければ解らないのである。
それに三ツ星ホテルと聞いていたので、まさかこんなに小さなホテルだとは思っていなかった事が迷いの一番の原因だった。(^^;
ガタガタ道をトランクを押して歩くのは大変だったが、乗せてくれないのなら仕方ない。ホテルまでの道をワクワクの気持ちと、くそ!重い!またはまった!の気持ちが交錯したが、そんなに気分は悪くは無かった。これがベルビューホテル?レストラン?と思うような小さなビジネスホテルだった。どこが三ツ星なのか解らない。でも、小さくてもきちんとしているのだろう。
代理店の知り合いが、「オランダはホテルの設備が悪いし、いい加減だから、絶対三ツ星以上のホテルに泊まらなければ、野宿になることもあるんだよ。」と言っていたから。
 <夕暮れの街> このホテル、中世様式の入り口の構えと違い、中はユーロモダンだった。だが、私達の部屋は地下一階で、部屋に入ると景色は望めず、モグラになった気分だった。
もう日が暮れてきた。荷物を簡単にかたずけて、急いでアムステルダムの街へ繰り出した。アムスには1泊しかしないので、この街をしっかり堪能しておきたかったからだ。
夕暮れが迫り、街は素敵な表情を見せている。
ガイドブックに載っている、よく見る水路のある街並みだけど
新鮮に見えた。何気ない看板や街頭がお洒落。1日しか滞在で
きないアムステルダム。疲れていたけど写真を撮り歩き、部屋
で食べる夕食を買い求めて2時間ほど散策した。
日が落ちると寒い。日本の2月ぐらいの気候だろう。
色々あったけど、アムステルダムを満喫する事ができ、満足な
一日だった。明日も早起きして、朝の街の表情を見てみよう!
次号へ続く・・・。

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